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漏電の原因とは?確認方法・ 放置するリスク・修理の目安を解説

絶縁抵抗計で分電盤を測定する手元

漏電というと「どこかで電気が漏れている」というイメージだと思います。実際そのとおりで、本来なら往復して戻ってくるはずの電気が、途中で建物や大地へ逃げていく状態です。

やっかいなのは、漏電は自然には直らないことです。むしろ湿気の多い季節に悪化します。ブレーカーが落ちるだけならまだ気づけますが、漏電しているのに遮断器が動かない状態がいちばん危険で、感電や火災につながります。

この記事では、漏電の主な原因、自分でできる確認方法、放置したときのリスク、そして修理の目安を整理します。

この記事の要点
  • 漏電の原因の多くは絶縁の劣化水濡れ。古い機器と水まわり、屋外設備が要注意
  • 漏電遮断器が落ちたら、安全ブレーカーを1つずつ入れ直せば原因の回路までは特定できる
  • 低圧の電路に必要な絶縁抵抗値は、対地電圧150V以下で0.1MΩ以上(電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条)
  • 漏電遮断器のテストボタンは月1回押して動作を確認する
  • 漏電箇所そのものの特定には測定が必要。回路の切り分けまでがご自身でできる範囲

漏電とは何が起きている状態か

電気は、電線の中を通って機器まで行き、また戻ってきます。この通り道の周りは絶縁物(ビニルの被覆など)で覆われていて、電気が外へ出ないようになっています。

その絶縁が破れたり、湿気で性能が落ちたりすると、電気が本来の道の外へ漏れ出します。これが漏電です。漏れた電気は建物の金属部分や湿った木材、大地へ流れます。そこに人が触れれば感電しますし、微弱な電流でも長時間流れ続ければ発熱して火災の原因になります。

漏電遮断器は、行きの電流と帰りの電流の差を監視していて、差が生じたときに回路を切ります。住宅で使われるのは定格感度電流30mA以下・動作時間0.1秒以内の高感度高速形。人が感電したときに致命傷になる前に切る、という考え方でこの数字が決まっています。

漏電の主な原因7つ

1. 電線・機器の絶縁劣化

いちばん多い原因です。ビニルの被覆は熱と紫外線と時間で硬くなり、ひび割れます。特に、常に電気が流れていて発熱している部分や、屋外・屋根裏など温度変化の大きい場所は進行が早くなります。

2. 水濡れ

雨漏り、結露、水漏れ、洗濯機まわりの水はね。水は電気を通すので、絶縁物の表面に水の膜ができるだけでも漏電します。屋外コンセントの防水処理が甘い、外壁の貫通部から雨水が入る、といったケースもよくあります。

3. トラッキング現象

コンセントに挿しっぱなしのプラグの隙間にほこりが溜まり、そこに湿気が加わると、プラグの刃の間を電気が伝うようになります。やがて炭化して発熱し、発火します。冷蔵庫の裏、テレビ台の裏、洗濯機の裏など、長年抜き差ししていない場所が危険です。

4. 配線の損傷

家具を押し込んでコードを潰した、壁にビスを打って中の配線を傷つけた、ネズミが齧った。物理的な損傷はいつでも起こりえます。特にリフォームや棚の取付けのあとに漏電が始まった場合は、この可能性が高くなります。

5. 電化製品の内部故障

洗濯機、エアコン、給湯器、食洗機。水や熱を扱う機器は内部の絶縁が傷みやすく、経年で漏電することがあります。特定の機器を動かしたときだけブレーカーが落ちるなら、まずその機器を疑います。

6. アース(接地)の不備

洗濯機やエアコンのアース線がつながっていないと、漏電が起きたときに電気の逃げ道がなく、機器の金属部分に電圧がかかったままになります。触れると感電します。アースがあれば漏電遮断器も確実に動作しやすくなります。

7. 過負荷による発熱

タコ足配線や、容量を超えた使い方で配線が発熱すると、被覆の劣化が加速します。ブレーカーが頻繁に落ちる状態を放置していると、こちらの問題に発展することがあります。

漏電を疑うサイン

漏電のサインと考えられる状況
サイン考えられること
漏電遮断器が落ちる漏電を検知している。最も明確なサイン
雨の日だけブレーカーが落ちる屋外設備や外壁貫通部からの水の侵入
機器に触れるとピリッとする機器の絶縁劣化とアース不備の組み合わせ
身に覚えのない電気代の増加漏れた電気も使用量として計測される
コンセントやプラグが焦げている、変色しているトラッキングや接触不良による発熱
ブレーカーや配線から異音・異臭がする内部で放電や炭化が起きている可能性
焦げくささと火花があるときは通電を再開しないでください 焦げたにおい、火花、パチパチという音。このどれかがあるなら、ブレーカーを戻さずに電気工事会社へ連絡してください。復電させると、次はより大きな事故になりかねません。

自分でできる確認方法

手順1|漏電遮断器のテストボタンを押す

漏電遮断器には黄色または赤色のテストボタンがあります。これを押してブレーカーが切れれば、遮断器そのものは正常に働いています。切れない場合は、漏電を検知しても止まらない状態です。すぐに点検を依頼してください。

テストは月1回程度が推奨されています。押したあとは、レバーを一度完全に下げてから上げ直します。

手順2|どの回路が原因かを切り分ける

漏電遮断器が落ちたときは、次の順に進めると原因の回路が分かります。

  1. 安全ブレーカー(右側に並んでいる小さいブレーカー)をすべてオフにする
  2. 漏電遮断器をオンに戻す
  3. 安全ブレーカーを1つずつオンにしていく
  4. あるブレーカーを入れた瞬間に漏電遮断器がまた落ちたら、その回路に原因がある
  5. その回路だけオフのままにして、残りは使える状態にする

ここまでで「キッチンの回路が原因」「2階の回路が原因」といったところまでは絞れます。生活への影響も最小限に抑えられます。

手順3|その回路の機器を疑う

原因の回路が分かったら、その回路につながっている機器のプラグをすべて抜いてから、ブレーカーを入れてみてください。落ちなければ機器側、落ちれば配線側の問題です。機器を1つずつ挿していけば、どの機器かも分かります。

ここから先は資格が必要です 配線側に原因がある場合、どこで漏れているかは絶縁抵抗の測定をしないと分かりません。分電盤の中を触る作業、配線を外す作業は電気工事士の資格が必要です(電気工事士法第3条)。無資格での作業は3月以下の拘禁刑または3万円以下の罰金と定められています。回路の切り分けまでがご自身でできる範囲と考えてください。
コンセントに挿しっぱなしのプラグ
刃の間にほこりと湿気がたまると、トラッキング現象の原因になります。

放置するとどうなるか

感電

漏電している機器の金属部分に触れると感電します。乾いた手なら「ピリッ」で済むことがありますが、濡れた手や、風呂上がりの素足では体を流れる電流が大きくなります。洗濯機や給湯器まわりの漏電が特に危険とされるのはこのためです。

火災

漏れた電流が流れ続けると、その経路が発熱します。壁の中や天井裏で起きると、気づいたときには燃え広がっています。トラッキング現象による火災は、無人の部屋でも起こります。

電気代の増加

漏れた電気も、メーターは使用量として計測します。金額としては大きくないことが多いものの、「使い方は変えていないのに電気代が上がった」というときは、漏電が候補のひとつになります。

プロはどうやって漏電箇所を特定するのか

絶縁抵抗測定

絶縁抵抗計(メガー)で、電路と大地の間の抵抗値を測ります。電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条で、低圧の電路に必要な絶縁抵抗値が決まっています。

低圧の電路の絶縁抵抗値(電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条)
電路の使用電圧の区分絶縁抵抗値
300V以下(対地電圧150V以下)0.1MΩ以上
300V以下(その他の場合)0.2MΩ以上
300Vを超えるもの0.4MΩ以上

一般家庭の100V回路は「対地電圧150V以下」に該当するので、0.1MΩ以上が基準です。この値を下回っていれば、その回路のどこかで絶縁が落ちています。

クランプメーターによる漏れ電流の測定

通電したまま、回路に流れている漏れ電流を測る方法です。分電盤の主幹から順に測っていくと、どの系統に漏れ電流があるかが分かります。機器を止められない店舗や事業所の調査で使います。

回路の分割による切り分け

配線を途中で分けながら測定を繰り返し、漏電箇所を絞り込みます。天井裏や床下、壁の中を通っている配線が対象になるので、点検口の有無で作業のしやすさが変わります。

修理の目安と費用

漏電調査・修理の費用の目安(一般的な相場)
内容目安
漏電調査(絶縁抵抗測定を含む)1万〜3万円程度
コンセント・スイッチの交換1か所あたり5,000〜15,000円程度
配線の部分的な引き直し2万〜8万円程度
分電盤の交換5万〜15万円程度
機器側の故障機器メーカーの修理または買い替え

あくまで一般的な相場で、原因の場所と作業のしやすさで大きく変わります。壁の中の配線を引き直す場合は、内装の復旧も含めて考える必要があります。

調査してみたら分電盤の劣化が原因だった、というケースも珍しくありません。設置から13年以上たっている場合は、分電盤の交換を含めて検討したほうが結果的に安く済むことがあります。

漏電を防ぐためにできること

  • 漏電遮断器のテストボタンを月1回押す。いちばん簡単で効果的な習慣です
  • 挿しっぱなしのプラグを定期的に抜いて、ほこりを拭く。トラッキングの予防になります
  • アース線を必ず接続する。洗濯機、電子レンジ、エアコン、温水洗浄便座など
  • 屋外コンセントの防水カバーを閉める。使わないときは必ず閉じておく
  • タコ足配線をやめる。足りないならコンセントを増設する
  • 雨漏りを放置しない。天井裏の配線に水がかかると漏電の直接の原因になります
VOICE FROM THE FIELD

漏電のご相談は、梅雨の時期と冬に増えます。梅雨は湿気、冬は結露です。「去年の梅雨も落ちたけど、そのうち直った」というお話をよく伺いますが、直ったのではなく乾いただけ、というのがほとんどです。

絶縁が落ちている場所は残っているので、翌年また同じことが起きます。しかも劣化は進んでいます。一度落ちたら、そのときに測っておくのがいちばん確実です。

他社では断られたという物件のご相談もいただきます。原因が見つけにくい漏電は手間がかかりますが、最後まで責任を持って対応するようにしています。

梅雨と冬に増えるご相談

漏電調査は、地道な作業です。回路を分けて測り、また分けて測る。原因が屋外の1か所だったということもあれば、複数の場所で同時に絶縁が落ちていることもあります。

原因が見つかっても、それで終わりではありません。なぜそこの絶縁が落ちたのか。雨が入っているなら、その侵入経路を止めないと再発します。そこまで見て、ようやく「直った」と言えます。

電気は目に見えないぶん、電気的な施工基準はきちんと守る。そのうえで、原因を確かめてから手を打つ。これがFrawの基本的な進め方です。

Frawは仙台を拠点に、宮城県全域と東北近郊で住宅・店舗の電気工事に対応しています。繁忙期を除けば現地調査はすぐに伺えます。住宅の電気工事について詳しく見る

よくある質問

漏電しているかどうか、自分で調べられますか?

原因の回路までは調べられます。安全ブレーカーをすべてオフにし、漏電遮断器をオンに戻してから、安全ブレーカーを1つずつオンにしていくと、原因の回路を入れた瞬間に漏電遮断器がまた落ちます。ただし漏電している箇所そのものは絶縁抵抗の測定が必要で、分電盤の中を触る作業には電気工事士の資格が必要です。

漏電を放置するとどうなりますか?

感電と火災のリスクがあります。漏れた電流が流れ続けると、その経路が発熱します。壁の中や天井裏で起きると気づきにくく、発見が遅れます。また、漏れた電気も使用量として計測されるため、電気代が増えることもあります。漏電は自然には直りません。

雨の日だけブレーカーが落ちます。これは漏電ですか?

屋外設備や外壁の貫通部から水が入り、絶縁が低下している可能性が高い状態です。晴れて乾けば落ちなくなりますが、直ったわけではありません。絶縁が落ちている場所は残っていて、劣化は進んでいます。落ちたタイミングで測定しておくのが確実です。

漏電の調査と修理にはいくらかかりますか?

調査(絶縁抵抗測定を含む)で1万〜3万円程度、コンセントやスイッチの交換で1か所5,000〜15,000円程度、配線の部分的な引き直しで2万〜8万円程度が一般的な目安です。原因が分電盤の劣化だった場合は交換となり、5万〜15万円程度になります。

絶縁抵抗はどのくらいあれば正常ですか?

電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条により、低圧の電路では使用電圧300V以下で対地電圧150V以下の場合は0.1MΩ以上、300V以下のその他の場合は0.2MΩ以上、300Vを超える場合は0.4MΩ以上と定められています。一般家庭の100V回路は0.1MΩ以上が基準になります。

漏電を防ぐために普段からできることはありますか?

漏電遮断器のテストボタンを月1回押して動作を確認するのがいちばん効果的です。あわせて、挿しっぱなしのプラグを定期的に抜いてほこりを拭く、アース線を必ず接続する、屋外コンセントの防水カバーを閉める、タコ足配線をやめる、雨漏りを放置しない。この5つで多くの原因を減らせます。

まとめ

漏電の原因は、絶縁の劣化と水濡れが二大要因です。そこにトラッキング、配線の損傷、機器の故障が続きます。どれも時間とともに進行するもので、放っておいて良くなることはありません。

まずできるのは、漏電遮断器のテストボタンを月1回押すこと。そして落ちたときは、安全ブレーカーを1つずつ入れ直して原因の回路まで絞ること。ここまでは資格がなくてもできます。

そこから先、どこで漏れているかを突き止めるには測定が必要です。焦げくささや火花があるときは通電を再開せず、そのままご連絡ください。

出典(2026年8月19日確認)

掲載した費用は一般的な相場の目安です。実際の金額は建物の構造・配線ルート・作業条件によって変わります。正確な費用は現地調査に基づくお見積りをご確認ください。

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