COLUMN

ブレーカーが落ちる原因は? すぐにできる対処法と交換の目安

住宅の分電盤のブレーカーを操作する様子

ブレーカーが落ちた直後にこのページを開いた方もいると思います。まず結論から書きます。焦げたにおい、火花、パチパチという音、ブレーカー本体が熱い。このどれかがあるなら、無理に戻さないでください。それ以外なら、順番を守れば自分で復旧できます。

ブレーカーが落ちるのは、電気の使いすぎか、漏電か、機器の故障か。この3つのどれかです。そしてどのブレーカーが落ちたかを見れば、原因はかなり絞り込めます。この記事では、その見分け方と、繰り返すときに何を疑えばいいかを整理します。

この記事の要点
  • 焦げくささ・火花・異音・発熱があるときは戻さずに連絡。それ以外は手順どおりに復旧できる
  • 分電盤には最大3種類のブレーカーがある。落ちたのがどれかで原因が変わる
  • 東北電力管内はスマートメーター化により、分電盤にアンペアブレーカーがない住宅が増えている
  • 漏電遮断器が落ちたときは、安全ブレーカーを1つずつ入れ直すと原因の回路を特定できる
  • 分電盤の内蔵ブレーカの更新推奨時期は製造後およそ13年(日本電機工業会の調査報告書による)

まず確認|戻していい状態か

次のどれかに当てはまるなら、ブレーカーを戻さずに電気工事会社か電力会社へ連絡してください。

戻してはいけないサイン
  • 分電盤やコンセントから焦げたにおいがする
  • 火花が見えた、パチパチという音がした
  • ブレーカー本体やコンセントのプレートが熱い、変色している
  • 水漏れや浸水があった、ブレーカーが濡れている
  • 戻してもすぐにまた落ちる(2回以上)

これらは、内部で接触不良や短絡(ショート)が起きているサインです。無理に復帰させると、発熱や火災につながります。

分電盤の3種類のブレーカーと、落ちたときの意味

住宅の分電盤には、左から順に次のブレーカーが並んでいるのが一般的です。

分電盤に入っているブレーカーと役割
名称位置役割落ちたときの意味
アンペアブレーカー
(契約用)
いちばん左契約アンペアを超えた電気が流れると遮断する家全体で電気を使いすぎている
漏電遮断器
(漏電ブレーカー)
アンペアブレーカーの隣漏電を検知して遮断するどこかで漏電している可能性が高い
安全ブレーカー
(配線用遮断器)
右側に複数並ぶ回路ごとに過電流を遮断するその回路だけ使いすぎ、またはショート

東北電力管内では、アンペアブレーカーがない家が増えています

ここが宮城県にお住まいの方に知っておいてほしい点です。東北電力ではスマートメーターの内蔵ブレーカー機能が使われていて、契約アンペアの変更時などに従来のアンペアブレーカーを取り外し、スマートメーター側に契約アンペアを設定する運用になっています。

つまり、分電盤を開けてもアンペアブレーカーが見当たらない住宅があります。その場合、家全体の使いすぎで電気が止まったときは、分電盤ではなくメーター側で遮断されている状態です。分電盤のブレーカーはどれも下がっていないのに家中の電気が消えた、というときはこれを疑ってください。

従量電灯Bの契約アンペアは10・15・20・30・40・50・60アンペアから選べて、大きさによって基本料金が変わります。アンペア変更の申込みはインターネットからでき、通常は工事費もかかりません。

原因1|家全体で電気を使いすぎている

いちばん多い原因です。特に冬場、暖房と調理が重なる夕方に起きやすくなります。

目安として、消費電力1,500Wは100Vで15アンペア。契約30アンペアの家庭で、次のような使い方をすると簡単に超えます。

主な家電の消費電力とアンペアの目安(100V換算)
機器消費電力の目安アンペア換算
電子レンジ1,000〜1,500W10〜15A
ドライヤー600〜1,200W6〜12A
電気ケトル約1,200W約12A
食器洗い乾燥機1,000〜1,300W10〜13A
炊飯器(炊飯時)350〜1,300W3.5〜13A
エアコン(立ち上がり時)500〜2,000W5〜20A
こたつ500〜600W5〜6A

電子レンジとドライヤーと電気ケトルを同時に使えば、それだけで30アンペア以上。エアコンが立ち上がっていれば、さらに上乗せされます。

対処は2つ。使う時間帯をずらすか、契約アンペアを上げるかです。ただし契約アンペアを上げると基本料金も上がりますし、宅内の配線や分電盤が新しい契約容量に対応しているかの確認が必要になります。古い住宅では、引込線から交換が必要になることもあります。

分電盤内部のブレーカー
漏電遮断器のテストボタンは、月1回押して動作を確かめてください。

原因2|ひとつの回路に集中している

安全ブレーカー(右側に並んでいる小さいブレーカー)だけが落ちた場合は、その回路の使いすぎです。住宅の分岐回路は20アンペアで組まれていることが多く、100Vなら約2,000Wが上限になります。

よくあるのが、キッチンのコンセントで電子レンジと電気ケトルを同時に使うパターン。同じ回路につながっていれば、家全体では余裕があっても、その回路だけ超えて落ちます。

解決策は、別の部屋のコンセントを使うか、専用回路を増設することです。消費電力の大きい機器は専用回路にするのが本来の姿で、電子レンジ・IH・エアコン・食洗機あたりは分けておいたほうが安心して使えます。

原因3|漏電している

漏電遮断器が落ちた場合は、電気が本来の回路の外へ漏れている可能性があります。感電や火災につながるため、使いすぎとは危険度が違います。

漏電遮断器は、行きと帰りの電流の差を検出して動作します。住宅用では定格感度電流30mA以下・動作時間0.1秒以内の高感度高速形が使われていて、人が感電したときに致命傷になる前に切ることを狙った数字です。

漏電の原因でよくあるのは次のようなものです。

  • 洗濯機・エアコン・給湯器など、水まわりや屋外の機器の絶縁劣化
  • 雨や結露による配線の濡れ
  • ネズミなどによる配線の損傷
  • 古い電化製品の内部劣化
  • コンセント内部のほこりと湿気(トラッキング)

原因の切り分け方は次章の手順で説明します。詳しくは漏電の原因と確認方法の記事もご覧ください。

原因4|機器の故障・ショート

特定の機器を使ったときだけ落ちる場合は、その機器の故障を疑います。コードの被覆が破れて内部で短絡していたり、モーターが劣化して過大な電流が流れていたり。

掃除機やドライヤーのように、本体を動かして使う機器は、コードの根元が繰り返し曲がって傷んでいることがあります。プラグや根元が変色・変形していたら、その機器の使用をやめてください。

安全に復旧する手順

第1章の「戻してはいけないサイン」がない前提で、次の順に進めます。

  1. 使っていた機器の電源を切り、プラグを抜く。原因を残したまま戻すと、また落ちます
  2. 分電盤を開けて、どのブレーカーが下がっているか確認する。手が濡れていないことを確認してください
  3. 安全ブレーカーだけが落ちている場合:その回路の機器を減らしてから、そのブレーカーを上げる
  4. 漏電遮断器が落ちている場合:まず安全ブレーカーをすべてオフにする → 漏電遮断器をオンに戻す → 安全ブレーカーを1つずつオンにしていく
  5. 安全ブレーカーをオンにした瞬間に漏電遮断器がまた落ちたら、その回路に原因があります。その回路だけオフのままにして、電気工事会社へ連絡してください
原因の回路が分かってからが本番です 「この回路が原因」と分かっても、漏電している場所そのものは絶縁抵抗の測定をしないと特定できません。分電盤の中を触ったり、配線をいじったりする作業は電気工事士の資格が必要です。回路を切り分けるところまでがご自身でできる範囲、と考えてください。

ブレーカー・分電盤の交換の目安は13年

ブレーカーは消耗品です。日本電機工業会の「住宅用分電盤用遮断器の更新推奨時期に関する調査報告書」(平成8年3月)に基づき、住宅分電盤の内蔵ブレーカの更新推奨時期は製造後およそ13年とされています。

年数を過ぎたからすぐ危険というわけではありませんが、内部の接点や機構部品は経年で劣化します。特に、漏電遮断器が正しく動作しなくなっていると、漏電しても切れないという最悪の状態になりえます。

次のような場合は、分電盤ごとの交換を検討する時期です。

  • 設置から13年以上たっている
  • 漏電遮断器のテストボタンを押しても切れない
  • ブレーカーのレバーがぐらつく、戻りが悪い
  • 分電盤に空きがなく、回路を増やせない
  • 漏電遮断器そのものが付いていない(かなり古い分電盤)

詳しくは分電盤の交換時期と費用の記事で解説しています。

再発を防ぐ3つの方法

1. 消費電力の大きい機器は専用回路にする

電子レンジ、IHクッキングヒーター、エアコン、食洗機、洗濯乾燥機。このあたりは1台で1回路を使う前提の機器です。既存のコンセントを分岐して使うのではなく、分電盤から専用の回路を引くのが本来の形になります。

2. 契約アンペアを見直す

家族が増えた、家電が増えた、オール電化にした。生活が変われば必要な容量も変わります。東北電力ならインターネットから申し込めます。ただし前述のとおり、宅内設備が対応しているかの確認は必要です。

3. 分電盤の余裕を確認しておく

将来エアコンを増やす、EVを買う、蓄電池を入れる。こうした予定があるなら、分電盤に空き回路があるかを先に見ておくと、後の工事が軽く済みます。空きがなければ、分電盤の交換とセットで考えることになります。

VOICE FROM THE FIELD

お客様からよくいただく質問のひとつが「火花が出たのですが、ショートしていますか?」というものです。この電話をいただいたときは、まずブレーカーを戻さないようにお伝えしています。

火花が見えたということは、どこかで接触不良か短絡が起きています。原因を確かめずに通電を再開すると、次はもっと大きな事故になりかねません。急なご依頼でも、こういう内容は優先して伺うようにしています。

「急な依頼ですが施工できますか?」という声も多いのですが、繁忙期を除けば現地調査はすぐ対応しています。判断に迷ったら、まず電話をいただいたほうが早いです。

「火花が出たのですが」というご相談

ブレーカーが落ちること自体は、安全装置が正しく働いている証拠でもあります。落ちなかったら配線が過熱していたかもしれません。気をつけたいのは、なぜ落ちたのかを確かめないまま戻し続けてしまうことです。

漏電遮断器が繰り返し落ちるのに「使いすぎかな」で片づけてしまうケースは、少し注意が必要です。漏電は放っておいて直るものではなく、湿気の多い時期にはむしろ進みます。

電気は目に見えません。だからこそ、施工の基準を守ることと、原因を確かめてから手を打つことを大切にしています。Frawは仙台を拠点に、宮城県全域と東北近郊で住宅・店舗の電気工事に対応しています。住宅の電気工事について詳しく見る

よくある質問

ブレーカーが落ちたら、すぐに戻していいですか?

焦げたにおい、火花、パチパチという音、ブレーカーやコンセントの発熱・変色。このどれかがあるなら戻さずに連絡してください。それ以外なら、使っていた機器のスイッチを切ってプラグを抜いてから、落ちたブレーカーを上げます。戻してもすぐにまた落ちる場合は、それ以上繰り返さないでください。

分電盤にアンペアブレーカーが見当たりません。故障ですか?

東北電力管内では、スマートメーターの内蔵ブレーカー機能が使われており、契約アンペアの変更時などに従来のアンペアブレーカーを取り外し、スマートメーター側に契約アンペアを設定する運用になっています。分電盤にアンペアブレーカーが見当たらないのは、多くの場合この運用によるものです。故障ではありません。

漏電ブレーカーが落ちたとき、原因の場所はどうやって調べますか?

まず安全ブレーカーをすべてオフにし、漏電遮断器をオンに戻します。次に安全ブレーカーを1つずつオンにしていくと、原因の回路を入れた瞬間に漏電遮断器がまた落ちます。ここまでで原因の回路は特定できます。漏電している箇所そのものは絶縁抵抗の測定が必要なため、電気工事会社へご相談ください。

契約アンペアを上げればブレーカーは落ちなくなりますか?

家全体の使いすぎが原因なら効果があります。ただし基本料金が上がりますし、宅内の配線や分電盤が新しい契約容量に対応しているかの確認が必要です。特定の回路だけ落ちている場合は契約アンペアを上げても解決しないため、その回路の負荷を分けるか専用回路を増設することになります。

ブレーカーはいつ交換すればいいですか?

住宅分電盤の内蔵ブレーカの更新推奨時期は、日本電機工業会の調査報告書に基づき製造後およそ13年とされています。ただし年数より重要なのは動作の確認です。漏電遮断器のテストボタンを押しても切れない、レバーがぐらつく、焦げや異音があるといった症状があれば、年数にかかわらず交換を検討してください。

エアコンを使うと必ずブレーカーが落ちます。

エアコンは立ち上がり時に大きな電流が流れるため、他の機器と同じ回路につながっていると落ちやすくなります。エアコンは専用回路が原則です。分電盤に空きがあれば専用回路の増設で解決します。空きがない場合は分電盤の交換とあわせた工事になります。

まとめ

ブレーカーが落ちたら、まず焦げたにおいと火花の確認。それがなければ、どのブレーカーが落ちたかを見る。安全ブレーカーなら回路の使いすぎ、漏電遮断器なら漏電の疑い。この2つで対応がまったく変わります。

そして、繰り返し落ちるなら原因が残っています。使い方の問題なら回路の分散や契約容量の見直しで解決しますが、漏電や機器の故障なら点検が必要です。分電盤が13年以上前のものなら、その機会に交換を検討する価値もあります。

判断に迷ったとき、特に火花や焦げくささがあるときは、通電を再開せずにご連絡ください。現地で原因を確かめたうえで、必要な工事をご提案します。

コラム一覧へ戻る
CONTACT

工事のご相談は
お気軽に。

法人・住宅どちらの電気工事も、現地確認から承ります。お電話またはフォームからご相談ください。

☎ お電話でのご相談
022-290-4246
受付:平日 9:00 – 18:00
フォームで相談する
☎ 電話するお問い合わせ