COLUMN

蛍光灯はいつ製造中止になる? 今後の対応とLED化のポイント

オフィスの天井に並ぶ蛍光灯照明

「2027年に蛍光灯が使えなくなる」という話を耳にした方も多いと思います。半分は本当で、半分は違います。

正確には、禁止されるのは製造と輸出入だけ。手元にある蛍光灯を使うことも、店頭やネットの在庫を買うことも、法律で禁じられるわけではありません。そして時期はランプの種類ごとに違い、2026年1月から段階的に進みます。すでに始まっている区分もあります。

この記事では、種類別の正確な期日と、実務上いつ動くべきかを整理します。

この記事の要点
  • 禁止されるのは製造と輸出入。使用と、流通在庫の販売・購入は禁止されない
  • 時期は種類ごとに違う。電球形は2026年1月1日から、直管形は2028年1月1日から禁止
  • 根拠は水銀に関する水俣条約と、2024年12月に改正された水銀汚染防止法の施行令
  • 一般照明用の高圧水銀ランプは、すでに2020年末で製造・輸出入が終わっている
  • 実務上は照明器具のほうが先に寿命を迎える。適正交換時期は8〜10年、耐用の限度は15年

種類ごとの製造・輸出入の禁止時期

環境省が公表している、水銀汚染防止法施行令に基づく禁止時期です。

一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入が禁止される日
ランプの種類禁止開始日実質的に製造できる期限
電球形2026年1月1日
(30W超は2027年1月1日)
2025年末
(30W超は2026年末)
コンパクト形2027年1月1日2026年末
直管形2028年1月1日
(ハロりん酸塩蛍光体使用品は2027年1月1日)
2027年末
(ハロりん酸塩は2026年末)
環形2028年1月1日
(ハロりん酸塩蛍光体使用品は2027年1月1日)
2027年末
(ハロりん酸塩は2026年末)

よく見かける「2027年末で製造禁止」という表現は、直管形と環形(三波長形)のことを指しています。オフィスや店舗でいちばん多く使われている40W形の直管がここに入るので、これが代表的な数字として広まりました。

ハロりん酸塩蛍光体のランプは1年早い 直管形・環形でも、ハロりん酸塩蛍光体を使った製品は2027年1月1日から禁止です。三波長形より1年早く終わります。古い建物で使われている白色(W)や昼光色(D)の一般形ランプがこれに該当することが多く、気づかないうちに在庫が消えていくパターンになります。器具に貼られたランプの型番を控えておくと確認しやすくなります。

高圧水銀ランプはすでに終わっています

工場や体育館、駐車場、道路照明などで使われてきた一般照明用の高圧水銀ランプは、水俣条約に基づき2020年末で製造・輸出入が終了しています。まだ使い続けている施設もありますが、交換用ランプの入手はすでに難しくなっています。

禁止されるのは「製造」と「輸出入」だけ

ここは何度でも確認しておきたいところです。環境省も「蛍光ランプの使用・販売・購入は禁止されません」と明記しています。

  • いま使っている蛍光灯を使い続けること:問題ありません
  • 店頭やネットの在庫を買うこと:問題ありません
  • 禁止日以降に新しく作ること・輸入すること:これができなくなります

つまり、期日を過ぎた瞬間に照明が消えるわけではありません。問題は、その後じわじわ効いてきます。

なぜ禁止されるのか|水俣条約と国内法

蛍光ランプは、発光の仕組み上どうしても水銀を使います。水銀による健康被害と環境汚染を防ぐための国際条約が「水銀に関する水俣条約」で、2023年の締約国会議で一般照明用の蛍光ランプが廃止対象に追加されました。

これを受けて、日本では2024年12月に「水銀による環境の汚染の防止に関する法律施行令」が改正され、一般照明用蛍光ランプのすべてが「特定水銀使用製品」に指定されました。上の表の期日は、この施行令に基づくものです。

これから何が起きるか

在庫が細っていく

製造が止まれば、市場に残るのは在庫だけです。特に需要の少ない特殊なサイズや色温度のランプから消えていきます。「いつも使っているランプが手に入らない」という状況は、禁止日より前から起きます。

価格が上がる

供給が減れば価格は上がります。すでに一部のランプでは値上がりが始まっています。「LEDは高いから蛍光灯のまま」という判断が、数年後には成り立たなくなる可能性があります。

器具の修理部品も入手しにくくなる

ランプだけでなく、安定器やソケットといった補修部品も、蛍光灯器具の生産終了とともに供給が細ります。故障したときに直せない、という場面が増えていきます。

倉庫の天井に並ぶ蛍光灯照明
器具の適正交換時期は8〜10年、耐用の限度は15年とされています。

ランプより先に、器具が寿命を迎える

ここが実務でいちばん重要な話です。

日本照明工業会のガイドA111:2024では、照明器具の適正交換時期を8〜10年、耐用の限度を15年としています。適正交換時期とは器具の劣化が進んで故障率が増え始める時期、耐用の限度とは故障の有無に関係なく安全のために交換が必要な年限です。安定器についても同じ年数が示されています。

同工業会は、10年を過ぎてから点検せずに使い続けると、外観は正常でも安定器の巻線やソケット、電線などの電気絶縁物の熱劣化により、発煙・発火・感電の原因になることがあると注意を促しています。

2027年を待つ意味は、あまりありません 設置から10年以上たった蛍光灯器具を使っているなら、蛍光灯の製造禁止とは関係なく、すでに交換を検討すべき時期に入っています。「まだランプが買えるから」と粘っても、器具のほうが先に限界を迎えます。

いつLED化すべきか|判断の順序

次の順に見ていくと、優先順位がつけやすくなります。

  1. 器具の設置年を確認する。15年を超えていれば、安全上の理由から最優先。10年超なら早めに計画を
  2. 使っているランプの種類を確認する。ハロりん酸塩蛍光体の直管・環形は2027年1月1日で製造終了。三波長形より1年早い
  3. 点灯時間の長い場所から手をつける。1日12時間点いている場所と、月に数回しか使わない倉庫では、LED化の費用対効果がまったく違う
  4. まとめて工事できるタイミングを探す。内装工事や改装があるなら、そこに合わせるのがいちばん効率的

LED化の3つの方法

蛍光灯からLEDへの3つの方法
方法工事特徴
既存の安定器をそのまま使うLEDランプ不要手軽だが、劣化した安定器を使い続けることになる。省エネ効果も限定的
安定器を切り離すバイパス工事必要(電気工事士)省エネ効果は出るが、器具本体の劣化は残る
器具ごと交換(LEDベースライト等)必要(電気工事士)安全性・省エネ効果ともにいちばん確実。日本照明工業会も推奨

日本照明工業会は「蛍光灯器具をLED化する際はまるごと器具交換をおすすめします」と明記しています。LEDランプと蛍光灯器具の組み合わせを誤ると発煙・火災につながる可能性があること、LEDランプを使うと照明器具メーカーの製品保証が適用外になることも注意点として挙げられています。

それぞれの方法の詳細と費用は蛍光灯からLEDへの交換方法と費用で解説しています。

事業所なら補助金の対象になることも

事業者向けの省エネ・非化石転換補助金では、設備単位型の対象設備に制御機能付きLED照明器具が含まれています。補助率は1/3以内、上限1億円、下限30万円。

ただし単純なLED化では対象になりません。人感センサーや調光といった制御機能を備えた器具であることと、補助対象製品として登録された型番であることが条件です。2026年の公募は1次・2次とも終了しているため、次の公募に向けた準備という位置づけになります。

VOICE FROM THE FIELD

「2027年までに何とかしないと」というご相談が増えてきました。ただ、実際に現場を見ると、器具のほうが先に限界を迎えているケースがほとんどです。設置から15年以上たった器具に新しいLEDランプを入れても、根本的な解決にはなりません。

それと、店舗やオフィスの照明は「明るくなればいい」という設備ではありません。見せる役割を持つ照明は、カッコよくおしゃれなものを選びたい。器具ごと交換するなら、そこまで一緒に考えたほうが得です。

電気は完成すると見えなくなりますが、照明は毎日目に入ります。だからこそ、見えるところは見栄えよく仕上げるようにしています。

期日より、器具の年数から考える

製造禁止の期日が近づくと、駆け込みで工事が集中します。工事会社の日程が埋まり、器具の納期も延びる。これまでの規制でも同じことが起きてきました。

そのうえでお伝えしたいのは、期日から逆算するより器具の設置年から考えたほうが実態に合うということです。15年を超えた器具は、蛍光灯が買えるかどうかとは別に、交換を検討する時期に入っています。

Frawは仙台を拠点に、宮城県全域と東北近郊で店舗・オフィス・工場の照明工事に対応しています。第一種電気工事士として低圧から高圧まで施工でき、器具の選定から工事、そのあとのフォローまで一貫して承ります。法人・店舗の電気設備工事について詳しく見る

よくある質問

2027年以降、蛍光灯は使えなくなりますか?

使えます。禁止されるのは製造と輸出入だけで、環境省も「蛍光ランプの使用・販売・購入は禁止されません」と明記しています。手元の蛍光灯を使い続けることも、流通在庫を買うこともできます。ただし製造が止まれば在庫は細り、価格も上がっていきます。

直管蛍光灯はいつまで製造されますか?

直管形は2028年1月1日から製造・輸出入が禁止されるため、2027年末までは製造できます。ただしハロりん酸塩蛍光体を使った製品は2027年1月1日から禁止で、1年早く終わります。オフィスや店舗で多い40W形の三波長形直管は2027年末が期限です。

電球形蛍光灯はもう製造されていないのですか?

30W以下の電球形蛍光ランプは2026年1月1日から製造・輸出入が禁止されているため、すでに製造は終わっています。30W超は2027年1月1日から禁止です。店頭にあるのは流通在庫で、購入も使用も問題ありません。

いつLED化すればいいですか?

器具の設置年から判断してください。日本照明工業会のガイドA111:2024では、照明器具の適正交換時期を8〜10年、耐用の限度を15年としています。10年を超えているなら、蛍光灯の製造禁止とは関係なく交換を検討する時期です。あわせて、点灯時間の長い場所から優先すると費用対効果が高くなります。

蛍光灯の器具に直管LEDランプを付けるだけではだめですか?

日本照明工業会は「LEDランプと蛍光灯照明器具の組み合わせを間違うと発煙・火災の原因となる可能性があります」として、器具ごとの交換をすすめています。また、LEDランプを使うと照明器具メーカーの製品保証が適用外になります。既存の安定器を残すため省エネ効果も限定的です。

高圧水銀ランプはどうなりますか?

一般照明用の高圧水銀ランプは、水俣条約に基づき2020年末で製造・輸出入が終了しています。工場や体育館、駐車場などで使われてきましたが、交換用ランプの入手はすでに難しくなっています。LED高天井照明への更新を検討する時期です。

まとめ

蛍光灯の製造・輸出入は、電球形が2026年1月1日から、コンパクト形とハロりん酸塩蛍光体の直管・環形が2027年1月1日から、三波長形の直管・環形が2028年1月1日から禁止されます。使用と、在庫の販売・購入は禁止されません。

ただ、実務で先に効いてくるのは器具の寿命です。適正交換時期は8〜10年、耐用の限度は15年。設置から10年以上たった器具なら、期日を待たずに計画を立てる時期に入っています。

「うちの器具は何年前のものか分からない」という場合も、器具に製造年のラベルが貼られていることが多く、現地で確認できます。まずは点灯時間の長い場所から見ていきましょう。

コラム一覧へ戻る
CONTACT

工事のご相談は
お気軽に。

法人・住宅どちらの電気工事も、現地確認から承ります。お電話またはフォームからご相談ください。

☎ お電話でのご相談
022-290-4246
受付:平日 9:00 – 18:00
フォームで相談する
☎ 電話するお問い合わせ